救急部

2008年2月21日
大学の救急部も人がいないということで、主に外科と内科からしばしば応援に行かなくてはなりません。
僕も月に1,2回は狩り出されます。
あくまで医局の指示ですが。

今日は救急部の「絶対に救急車を断らない先生」が責任番です。
今のところ落ち着いていますが、先日は心肺停止がほぼ同時に3人来ました。
うち一人は子供でした。
研修医を含めて常時6人が待機し、他各科の当番も控えていますが、
ナースの数は変わらないので、正直3人はきついです。
物がどこにあるかも分からないし、一人挿管、一人マッサージしていると
点滴をとることすら出来なかったり。
たらい回しが問題になっていますので、そりゃ、断らないことは信念としては
すばらしいと思いますが、やっぱりキャパシティーってもんがあります。

今日は朝から6時間の手術をこなし、病棟に戻ったら当直時間帯に突入し、
明日は朝から外来の検査を10件ほど行い、午後から手術です。
医療崩壊の渦のなかにいるのかなぁ?
それとも文句ばっかり言い過ぎかなぁ?
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追記
トリアージって災害の現場でやらなくてはいけないことだけど
いまだに経験したことがありません。
おそらく救急隊も実際にやったことは無いでしょう。
以前勤めていた病院で、医者が3人しかいない救急に、多重事故の患者が7人運ばれてきました。
うち4人は心肺停止かほぼそれに近かったような気がします。(うる覚えですが)
医者が3人、ナースが4人の病院に同じ救急隊が7人つれてくる。
軽症であればいいですが、心肺停止のような人を何人も。
病院のマンパワーからして対処しきれないであろうことは、救急隊も分かっているとは思うけど
実際その場に直面したとき、既に心肺停止の人にBlack Tagを付けることは
出来なかったみたいです。
(死亡判断のできない救命士がほぼ「死亡」と同じBlack Tagを付けることに議論はあるかもしれないし、今の法律では後で救命士が訴えられる可能性もあるのかもしれませんが)

心肺停止の患者から運んできました。

その時はかすかに意識のあったと記載のある人が、その後心肺停止で運ばれて来た。

自分は勇気を持ってBlackを貼付けることが、果たして自分にできるのか?
止まっている人から、マッサージしちゃいそうです。

救急隊を責められません。

4人とも亡くなりましたが、もしかしたら1人か2人にBlackと判断できていれば
(ほんとに助けられなかったかどうかは分かりませんが)
意識のあった人は助かったかもしれません。
(結果として助からなかったかもしれませんが)

田舎の病院では医者が何十人もいるわけでなく、大学でも同時に見られるCPR患者はせいぜい数人だと思います。地方に行きば、やはり1人が精一杯では?

本当に大災害が起きたり、何十人も絡む事故などが起きた時に
自分が的確にBlackをつけ、一人でも多くの”救える命”を判断できるか
非常に疑問です。

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